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新型コロナを免疫力で… 森林浴のススメ


こんな時だからこそ敢えて書きます。


新型コロナウイルスの感染拡大が未だ治まる気配が見られない今、また、ワクチンや特効薬も開発されていない現状において、私達は一体どうすればよいのでしょうか?


できることと言えば、接触感染を防ぐための「手指消毒」や「こまめな手洗い」、飛沫感染を防ぐための「マスクの着用」、そして「不要不急の外出を控え」、「大勢の人が集まる屋内の閉鎖的空間に近づかない」ようにする… 等々 


ウイルスに感染する可能性は低くなるものの、精神衛生的にストレスが溜まってしまうのは、少なからず私だけではないと思われます。


そんな中、私が注目するのが自分自身の「免疫」


疲れやストレスをためないよう、日頃から体調管理に十分気を配り、普段の睡眠も十分にとり、栄養バランスの良い食事をしっかり摂取することにより、ウイルスに対する抵抗力をつけることで感染や発症を防ぐことができます。


医学の父として世界中にその名を知られる古代ギリシャの医師「ヒポクラテス」は、「人間は誰でも体内に100人の名医を持つ」と言ったそうです。


「100人の名医」とは… そうです、すなわち「免疫」のことなのです。


では「免疫」とは一体どのようなものなのでしょうか?


ひと言で言ってしまえば、それは血液中の「色々な種類の白血球による自己防衛システム」のことなのです。


「白血球」には、色々な種類が存在し、大きくは「顆粒球」、「リンパ球」と「単球」に分類されます。


さらに細かく分けると、リンパ球は「T細胞」、「B細胞」、「NK細胞」に分類され、顆粒球は「好中球」、「好酸球」、「好塩基球」に分類、単球は「マクロファージ」や「樹状細胞」などに細かく分類されます。


今回は敢えて全ての白血球の特性などは述べませんが、それぞれがお互いに、あるいは、単独で、体の中に侵入してくる細菌やウイルスなどを排除する働きを担っています。


中でも、「NK細胞」=「ナチュラルキラー細胞」と呼ばれる白血球は、常に体の中をパトロールし、ウイルスや細菌に感染した細胞などを見つけると単独で攻撃を仕掛けることができるのです。


このNK細胞ですが、20代をピークにその活性(能力)が衰えてくると言われており、また、ストレスや体調、環境要因などでも活性が低下してくることがわかっております。


そしてこのNK細胞の活性が低下した人は感染症に罹り易いうえ、治りにくく、死亡率も高まってくることもわかっております。


では、このNK細胞をはじめとした免疫の活性を高くするためには一体どうしたら良いのでしょうか?


まずは日頃の生活習慣を改善することです…


①「栄養バランスのとれた食事の摂取」 ②「良質な睡眠を十分にとる」 ③「入浴で体を温める」 ④「ストレスをためない」 ⑤「適度な運動を行う」… などなどです。


特に、人ごみの中へ不要不急な外出を控えるよう叫ばれている昨今、⑤の「適度な運動をする」ことがままならない方も多くいるものと思われます。


ですが、そんな時にこそ、登山ガイドとして、誤解を恐れず申し上げるのであれば、そうです登山の時などに体験できる「森林浴」をお勧めしたいのです。

日本医科大学リハビリテーション科の李卿医師(森林医学研究)の研究によれば、森林浴をする前よりも、森林浴を1日だけした方が27%、2日間した場合においては53%もNK細胞の活性が上がったとの報告がなされております。


では、一体なぜ、森林浴でNK細胞の活性、すなわち免疫力が上がるのでしょうか?


森の中では木漏れ日や心地よい風、素晴らしい景色や小鳥のさえずりなど、五感を通し私達をリラックスさせてくれる要素が多く存在しますが、なかでも「フィトンチッド」と呼ばれる木の香り成分が免疫力アップと大きく関わっていることが分かっております。


植物はその生命を維持するため、また、自らの成長を促すために、葉や幹から「フィトンチッド」と総称される揮発性物質を放散しております。


因みにこの「フィトンチッド」の名前の由来ですが「フィトン=植物」、「チッド=他の生物を殺す能力」というロシア語が語源だそうです。


では、この「フィトンチッド」、実際にどのような植物から多く放散されるのでしょうか?


「フィトンチッド」には数種類の成分があり、なかでも代表的な成分である「α‐ピネン」や「β-ピネン」、「リモネン」などは、「ヒノキ」や「トドマツ」、「ハイマツ」、「スギ」などの針葉樹に多く含まれるそうです。また、低山などでも見られる「クスノキ」や「タブノキ」、「シキミ」といった広葉樹にも多く含まれ、空気中に放散されるそうです。


樹木の中でも特に葉に成分の多くが含まれており、放散される時期と量に関しては夏が多く冬は少なく、時間帯としては午前10時ごろから夕方くらいの時間帯で多く放散されるそうです。


余談ではありますが、この「森林浴」、実は日本が発祥らしく、最近では欧米諸国でも「ブーム」になりつつあるようです。


特にアメリカでは「フォレストベイジング(森林の入浴)」とも呼ばれ、「ワシントンポスト紙」や「タイムス誌」などでも大々的に紹介され、気軽にアクティビィティーが楽しめ、健康の増進にも繋がるとのことで人気が出ているとのことです。


最後に…  


予防のため外出を控えている方が大勢いる時に敢えて書きます...  


敢えてこんな時だからこそ書きます...


こんな時だからこそ、森へ行き、自然の中に身を置き、「森林浴」によって免疫力をアップさせ、自分の体の中から新型コロナウイルスを排除する機能を獲得することこそ、また、今後もいかなる新型感染症が発生するかも分からない今だからこそ、私達の身を守る術として最も重要なのではないかと考えます。 


こんな時だからこそ、敢えて、森へ出かけてみませんか!?


もちろん森へ行く際は、混雑が想定される場所は避け、目的地へ向かう道中の交通手段等も十分に考慮することも忘れてはいけませんが…


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