北の大地に誘(いざな)われ… 北海道ひとり旅(第2話)

北の大地に降り立ち、まず直面したのが「ガス缶問題」でした。
今回の旅は気ままな車中泊。
いつも使っている山用のガスバーナーを持参し、お湯を沸かしたり、ちょっとした料理を作ったりするつもりでした。
しかし飛行機には、安全管理上の問題で、ガス缶を持ち込むことが禁止されています。
そこで、北海道に降り立ったらまず、ガス缶を購入しようと決めていました。

レンタカーを借りた後、真っ先に帯広市内のアウトドア店に向け、車を走らせます。
外は雨…
延々と続くまっすぐな道…
見渡す限り拡がる広大な草原…
走れど走れど、帯広市街にはなかなか近づきません。
こんなところでもあらためて、「ああ 北海道に来たんだな~」と実感します。

帯広市街に入り、アウトドア店に行こうとしましたが、時刻は午前9時過ぎ。
当然ですが、どこのお店もまだ開店前です。
雨の街中。
このまま車の中で開店を待つか… と、一瞬頭をよぎりましたが、すぐに気が変わりました。
せっかく北海道に来たのにもったいない…
「そうだ、このまま車を走らせ、釧路まで向かおう」
そう思うと同時に、私は車を東に向け走らせていたのでした。
普段、登山ガイドとしてお客様をご案内している時には、
きちんとした登山計画を立て…
進んでいる方向やルートに間違いがないかを確認し…
たえず行程管理や安全管理に意識を集中させています。
しかし今回はプライベートでノープランの旅。
だからこそ成し得る「自由な決断」だったのかもしれません。
雨の高速道路を一気に駆け抜け、無事、釧路に到着。
そしてアウトドアショップでガス缶を購入した後は、さらに車を東へ走らせます。

途中、約15年ぶりに訪れた中標津(なかしべつ)の町には、昔、食料品を買い求め、小さなスーパーに立ち寄った記憶があります。
昔の記憶を頼りにスーパーへ行くと、記憶を覆すような立派な建物へと様変わりしており、なんだかワクワクしてきました。

食料品を買い込んだ後は、今夜の宿泊地を「道の駅おだいとう」に決めます。
対向車などめったにすれ違うことのない、ただただ真っ直ぐな道…
両脇には見渡す限りどこまでも続く広大な草原と牧場…
遠くに番(つがい)の丹頂鶴が佇み、また、草をはむエゾシカの群れも…


疲れ果てていた自分にとって、誰もいない、このどでかい、静かな大地に身を置くことが、何よりの癒しとなります。
午後6時前。
初日の目的地と決めた「道の駅おだいとう」に到着です。

伊豆の自宅を出てから、およそ16時間。 日本の東の果てに到着しました。

車をひた走らせ、いろいろとバタバタした一日目でしたが、振り返ってみれば、これ以上ないほどにワクワクした、私の気ままな旅の幕開けでした。
第3話へ続く…


























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