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春の立山連峰を仰ぐ… 富山「雨晴海岸」巡礼紀行(番外編)

  • 18 時間前
  • 読了時間: 3分


今回の富山旅。


雨晴海岸から見る立山連峰が旅の主役だったとすると、その道中で出会う、いくつもの景色や道程もまた、静かな脇役だったのだと思います。


旅を終え、数日が経った今も、そのひとつひとつの光景が脳裏によみがえります。




遠ざかる聖域


朝7時、雨晴(あまはらし)を離れ、帰途につきました。


数時間前に通ったこの場所は、遠くにまばらな、ぼんやりとした明かりが灯るだけの、未だ眠りの中にいる町でした。


すっかり明るくなった今、あらためて、ここが広大な平野であることに気づいたのでした。


一般道を走ることおよそ1時間。


ようやく、北陸道のインターにたどり着きました。


そして料金所を抜けた瞬間、あの剱岳の山容が、驚くほど近くに現れたのです。



どこかパーキングに車を停め、もう一度、じっくりとその山容を眺めたかったのですが、走れど走れど、適当な停車場所は見つかりません。


結局、ハンドルを握りながら、視界の端の方にちらちらと、その峻険な山容を追いかけることしかできなかったのです。




暗闇の先に現れる「碧(あお)」

 

富山県との境界を越え、新潟県へ。

 

閉塞感のある、連続するトンネルをいくつも抜けると、唐突に視界が開けました。


「親不知(おやしらず)海岸」です。




高さ四百メートルもの断崖が、十五キロにも続くダイナミックな海岸線は、かつて北陸道最大の難所とまで言われ、「親は子を忘れ、子は親を忘れる(気遣う余裕がない)ほどに危険な場所」であることから、その名がついたそうです。



私はその言葉を何度も何度も反芻しながら、碧く広大な海の上に架かる高架橋を、静かに走り抜けました…




妙高の威容


親不知に入ってからも、車はしばらく北上を続けます。


そして走ることおよそ30分、上越ジャンクションに差し掛かりました。


ここからは、北陸道、そして、日本海ともお別れです。


どこか、なぜだか分からないのですが、急に切なさや寂しさがこみ上げてきました。


そして上信越道に入り、しばらくすると、右手に真っ白な雪を纏った妙高山がそびえ立っていました。



いつか時間ができた時、北陸や東北の山々を色々巡ってみたい… 常々、私が思っていることです。


そして、いつかきっと、この妙高にも来ることを、静かに、誓うのでした。




分岐点の迷い…


妙高のゆるぎない姿に励まされるように、私はハンドルを握り続けます。


そして、車はやがて長野県に入りました。


私はひたすら南へ向け、ハンドルを握ります。


時刻は11時ごろ。


長野インターを過ぎ、しばらく行くと、やがて更埴ジャンクションの分岐が見えてきました。



左へ折れれば、小諸や佐久を通り、野辺山、清里を抜け、中央道に合流することができます。


私がかつて、浅間山に行った時に通ったルートです。


直進すれば、来た時と同じく、諏訪湖方面に向かいます。


左に折れる、という選択肢もありましたが、車は無情にも、現実と言う重力に従い、直進を続けるのでした…




諏訪湖の静寂と守屋山のシルエットを探す…


岡谷ジャンクションより中央道へ。


高台を走る道路からは、穏やかな諏訪湖を見下ろすことができます。



諏訪を過ぎる頃、ふと守屋山(もりやさん)の山容を探しました。


季節は3月下旬。


例年であれば、今の時期は「ザゼンソウ」の花がちょうど見頃を迎えているはずです。



厳しい冬を越えて咲くその花の姿を、予定通りお客様にご案内できるのかどうか… 


私は静かにハンドルを握り、また車を走らせました。


(終わり)

 
 
 

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