春の立山連峰を仰ぐ… 富山「雨晴海岸」巡礼紀行(番外編)
- 18 時間前
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今回の富山旅。
雨晴海岸から見る立山連峰が旅の主役だったとすると、その道中で出会う、いくつもの景色や道程もまた、静かな脇役だったのだと思います。
旅を終え、数日が経った今も、そのひとつひとつの光景が脳裏によみがえります。
遠ざかる聖域
朝7時、雨晴(あまはらし)を離れ、帰途につきました。
数時間前に通ったこの場所は、遠くにまばらな、ぼんやりとした明かりが灯るだけの、未だ眠りの中にいる町でした。
すっかり明るくなった今、あらためて、ここが広大な平野であることに気づいたのでした。
一般道を走ることおよそ1時間。
ようやく、北陸道のインターにたどり着きました。
そして料金所を抜けた瞬間、あの剱岳の山容が、驚くほど近くに現れたのです。

どこかパーキングに車を停め、もう一度、じっくりとその山容を眺めたかったのですが、走れど走れど、適当な停車場所は見つかりません。
結局、ハンドルを握りながら、視界の端の方にちらちらと、その峻険な山容を追いかけることしかできなかったのです。
暗闇の先に現れる「碧(あお)」
富山県との境界を越え、新潟県へ。
閉塞感のある、連続するトンネルをいくつも抜けると、唐突に視界が開けました。
「親不知(おやしらず)海岸」です。

高さ四百メートルもの断崖が、十五キロにも続くダイナミックな海岸線は、かつて北陸道最大の難所とまで言われ、「親は子を忘れ、子は親を忘れる(気遣う余裕がない)ほどに危険な場所」であることから、その名がついたそうです。

私はその言葉を何度も何度も反芻しながら、碧く広大な海の上に架かる高架橋を、静かに走り抜けました…
妙高の威容
親不知に入ってからも、車はしばらく北上を続けます。
そして走ることおよそ30分、上越ジャンクションに差し掛かりました。
ここからは、北陸道、そして、日本海ともお別れです。
どこか、なぜだか分からないのですが、急に切なさや寂しさがこみ上げてきました。
そして上信越道に入り、しばらくすると、右手に真っ白な雪を纏った妙高山がそびえ立っていました。

いつか時間ができた時、北陸や東北の山々を色々巡ってみたい… 常々、私が思っていることです。
そして、いつかきっと、この妙高にも来ることを、静かに、誓うのでした。
分岐点の迷い…
妙高のゆるぎない姿に励まされるように、私はハンドルを握り続けます。
そして、車はやがて長野県に入りました。
私はひたすら南へ向け、ハンドルを握ります。
時刻は11時ごろ。
長野インターを過ぎ、しばらく行くと、やがて更埴ジャンクションの分岐が見えてきました。

左へ折れれば、小諸や佐久を通り、野辺山、清里を抜け、中央道に合流することができます。
私がかつて、浅間山に行った時に通ったルートです。
直進すれば、来た時と同じく、諏訪湖方面に向かいます。
左に折れる、という選択肢もありましたが、車は無情にも、現実と言う重力に従い、直進を続けるのでした…
諏訪湖の静寂と守屋山のシルエットを探す…
岡谷ジャンクションより中央道へ。
高台を走る道路からは、穏やかな諏訪湖を見下ろすことができます。

諏訪を過ぎる頃、ふと守屋山(もりやさん)の山容を探しました。
季節は3月下旬。
例年であれば、今の時期は「ザゼンソウ」の花がちょうど見頃を迎えているはずです。

厳しい冬を越えて咲くその花の姿を、予定通りお客様にご案内できるのかどうか…
私は静かにハンドルを握り、また車を走らせました。
(終わり)


























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