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稚内を目指した冬の北海道旅 〜北へ向かうほど、心が静かになっていく〜(第3回)

  • 執筆者の写真: cleanest 100
    cleanest 100
  • 1月19日
  • 読了時間: 3分

更新日:1月22日


前回までの記事では、「思い立った旅の始まり」と「本州を縦断する鉄道の時間」について書いてきました。


第3回は、いよいよ“北海道に足を踏み入れてから、稚内へ向かう道中”です。


ただ距離を移動しているだけなのに、なぜか心の奥が少しずつ整っていく――そんな感覚が、はっきりと自覚できた区間でした。


北海道に入った瞬間、空気が変わった


新函館北斗駅に降り立った瞬間、「寒い」というよりも、まず感じたのは空気の密度の違いでした。


同じ日本なのに、音が少なく、風が澄んでいて、時間の流れが一段ゆっくりしている。


これは、山で標高を上げていったときに感じる感覚に少し似ています。


景色が変わる前に、まず身体の内側が反応するあの感じです。


列車に揺られながら、何もしない時間を許す


函館から札幌、そしてさらに北へ。


車窓に流れていくのは、広い大地と、整いすぎていない町並み。


スマホを見る時間は自然と減り、代わりに「ただ外を見る」時間が増えていきました。


何かを考えようとしているわけでもなく、かといって、何も考えていないわけでもない。


登山中で言えば、登りでも下りでもない、水平移動の区間のような感覚です。


人は、こういう時間を意識的に作らないと、なかなか持てないのかもしれません。


(特急北斗の車窓より海を望む)


「最北端」を目指しているはずなのに、競争がない


今回の旅の目的地は「稚内」。


日本最北端という、わかりやすいゴールがあります。


でも不思議なことに、「早く着きたい」「到達したい」という気持ちは、ほとんど湧きませんでした。


それは、この旅が誰かと比べる旅でも、結果を求める旅でもなかったからだと思います。


山でも同じですが、「登頂」が目的になった瞬間、“景色は急に色あせます。”


今回の鉄道旅は、“どこまで行ったか”よりも“どういう時間を過ごしたか”の方が、はるかに大切でした。



(特急カムイにて札幌より旭川を目指す)



稚内が近づくにつれ、心が軽くなっていく


北へ進むほど、駅の数は減り、車内は静かになっていきます。


何かを足しているわけではないのに、余計なものが、ひとつずつ削ぎ落とされていく感じ。


「頑張らなきゃいけない」「ちゃんとしなきゃいけない」


そんな無意識の緊張が、いつの間にか、ふっと緩んでいました。


(1日目に降り立った旭川駅にて)


この旅が、登山ツアーと無関係ではない理由


この北海道・鉄道旅を通して改めて感じたのは、人が本来のリズムを取り戻すには、移動そのものが必要だということです。


それは必ずしも山でなくてもいい。


でも、

  • 自分の足(または身体)で進むこと

  • 時間をコントロールしすぎないこと

  • 目的よりも過程を味わうこと


この3つが揃うと、人は驚くほど自然に整っていきます。


私たちが行っている登山ツアーも、本質的には、同じ場所を目指しています。


(北海道初日の晩餐は寿司で)


次回、第4回はいよいよ「稚内の地に立つことができたのか」と、この旅の“静かな核心”について書く予定です。


派手な出来事はありません。


でも、だからこそ大切な時間でした。


また、続けて読んでいただけたら嬉しいです。

 
 
 

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